

モモカ
ねえ先生、お札って人物の顔が描かれてるイメージだけど、昔は動物もいたって本当?

門井先生
そうだよ。実は、日本のお札にはこれまでにいくつかの動物が描かれてきたんだ。しかも、それぞれにちゃんと意味や願いが込められているんだよ。

リク
えー!どんな動物?そしてなんで描かれたの?

門井先生
たとえば、一番古いところだとねずみがいるよ。明治時代のお札に登場していて、七福神の大黒様のそばにいる縁起物として描かれていたんだ。

ユイ
あっ、ねずみってお金や食べ物が集まるイメージあるかも!

門井先生
そのとおり。富や繁栄の象徴として選ばれたんだろうね。他にも、いのししも描かれたことがあって、力強くまっすぐ進む姿から、勇気や行動力を意味していたんだ。

モモカ
いのししって、ちょっと強そうな感じあるね。

リク
ほかにはどんな動物がいたの?

門井先生
たとえば、馬は昔の小額紙幣に登場していたよ。馬はまじめさやスピード、忠実さの象徴なんだ。

ユイ
動物ってちゃんと意味があるんだ…!

門井先生
その通り。他にも、にわとりやハトもいたよ。にわとりは「夜明けを知らせる動物」として、「新しい時代の始まり」を意味していたし、ハトは「平和」の象徴として戦後のお札に使われたんだ。

モモカ
わぁ、希望とか平和とか、すごくあたたかい意味があるんだね。

リク
ライオンとかも出てきたりしたのかな?

門井先生
お、鋭いね。ライオンは五千円札に描かれていたことがあるよ。百獣の王としての力強さや信頼、守る力の象徴だったんだ。

ユイ
かっこいい〜!動物の意味を知ると、ますます面白いね!

門井先生
そうだね。そして、もっと印象的なのが「鶴(タンチョウ)」と「キジ」だよ。

モモカ
それ、聞いたことある!

門井先生
鶴は千円札に、キジは一万円札に登場した。鶴は「長生きや幸せのしるし」、キジは日本神話にも登場する「正義と忠誠心の象徴」として、それぞれ大切な意味を持って選ばれたんだ。

リク
なるほど…。ただのデザインじゃなくて、時代の願いや人々の想いが込められてたんだね。

門井先生
そう。お札はお金であるだけでなく、その時代の希望・信念・価値観が映し出された文化財でもあるんだよ。

ユイ
これからお札を見るたびに「何か意味があるのかな?」って考えてみたくなるね!

門井先生
それが学びの第一歩だね。身近なお金から、歴史や文化に触れていこう。
この記事のポイント
- 日本のお札には過去にさまざまな動物が描かれており、それぞれに文化的な意味や願いが込められていた。
- ねずみ(富)、いのしし(勇気)、馬(勤勉)、にわとり(始まり)、ハト(平和)、ライオン(威厳)、鶴(長寿)、キジ(忠誠)などが登場。
- お札のデザインは時代背景や社会の思いを映し出す文化の一部であり、デザインを通じて歴史を学ぶことができる。

門井孝史
1977年、埼玉県生まれ。ファイナンシャルプランナーとして企業経営者や不動産オーナーをサポートし、MDRT最上級資格「TOT」を持つお金の専門家。「子どもにもお金の大切さを知ってほしい」という想いから、『マネテラス』でお金の仕組みや使い方を楽しく教える。趣味は野球で、休日はキャッチボールを楽しむことも。