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マネテラス

売上が増えたのに、もうけが減ることもあるの?

お客さんがたくさん来て、パンも前より売れた。それなのに、お店のもうけが減ることはあるのでしょうか。答えは「あります」。架空のパン屋の二つの月を比べながら、「売上高」「費用」「利益」の違いを考えてみましょう。

売れた金額が、そのままもうけになる?

売上高は、商品やサービスを売った金額の合計です。一方、パンを作って売るには、材料だけでなく、働く人の給料、家賃、電気代なども必要です。商品を作って売ったり、お店を動かしたりするために、その期間にかかった金額を「費用」といいます。

リク

リク

パンがたくさん売れたら、そのお金が全部お店のもうけになる気がするな。でも、小麦粉やバターは買わないといけないね。

モモカ

モモカ

パンを焼く人も、レジで渡してくれる人も必要だよね。材料のお金だけ引けばいいわけではなさそう。

門井先生

門井先生

そのとおりです。利益は、売上などから、それに対応する費用を引いて求めます。これからのパン屋の例では、売上以外の収入はないので、「売上高−費用」で考えましょう。

ユイ

ユイ

例えば、売上が100万円で材料費が40万円なら、差は60万円。でも、給料や家賃をまだ引いていないから、60万円をそのままお店のもうけとは呼べないんだね。

売上が20万円増えても、利益は10万円減った

会社が営む架空のパン屋の、4月と5月を比べます。材料費や給料・家賃などは、それぞれの月にかかった分をそろえています。

表の金額には消費税を含めていません。利益は、会社の利益にかかる税金を引く前の金額で比べます。

同じパン屋の各1か月の比較(架空の例・単位:万円)
項目4月5月
売上高100120
材料費4060
人件費(給料など)2530
家賃・電気代など1520
費用の合計80110
利益(税金を引く前)2010
リク

リク

あれ? 売上は100万円から120万円に増えたのに、利益は20万円から10万円に減っている!

ユイ

ユイ

引き算してみるね。4月は100−80で20万円。5月は120−110で10万円。費用の増え方が、売上の増え方より大きかったんだ。

門井先生

門井先生

売上が増えたのは20万円、費用が増えたのは30万円です。その差の10万円だけ、利益が減りました。売上だけを見ても、もうけが増えたかは分からないのです。

モモカ

モモカ

どれだけの金額が売れたかを見る数字と、費用を引いてどれだけもうかったかを見る数字では、教えてくれることが違うんだね。

費用が増えた理由も見てみよう

この例の5月は、売るパンの数が増え、材料の値段も上がったため、材料費が増えました。作る量に合わせて働く時間や電気の使用も増えています。ただし、これは架空の設定です。売上が増えれば、必ず同じように費用が増えるわけではありません。

リク

リク

それなら、材料をうんと安くして、働く人も減らせば、利益を増やせるのかな?

ユイ

ユイ

でも、味が変わったり、パンを作る人が足りなくなったりしたら困るよ。安全に作れて、無理なく働けることも大事じゃない?

モモカ

モモカ

売れる数より多く焼いて余らせているなら、作る数を考え直す方法もありそう。先に予約を受ければ、欲しい人の分を用意しやすいかも。

門井先生

門井先生

よい着眼点ですね。費用には、おいしさや安全、働く人を支える役割もあります。減らすことだけを目標にせず、何のための費用かを確かめることが大切です。

リク

リク

値上げする方法もあるけれど、それだけが答えではないんだね。お客さんが買いやすいか、お店を続けられるかも一緒に考えるんだ。

利益は、店主が自由に使えるお金?

利益は、ある期間の商売の成果を示す数字です。レジや銀行口座に今いくらあるかを示す数字とは違います。また、この例は会社の利益なので、店主個人の給料とも区別して考えます。

モモカ

モモカ

5月の利益が10万円なら、店主がその10万円を全部、自分の買い物に使えるという意味?

門井先生

門井先生

いいえ。会社のお金と個人のお金は別です。会社のお金は、次の材料の購入や機械の修理に使うこともあります。この例では、店主に支払う給料も人件費に含めてから、会社の利益を求めています。

ユイ

ユイ

売れたパンの代金を、あとで受け取る約束だったら? 売上になっていても、まだお金が届いていないこともありそう。

門井先生

門井先生

そうですね。売れた時と代金を受け取る時が違う場合があります。利益と、今ある現金・預金は同じではないのです。

リク

リク

「よく売れた」だけで決めつけずに、費用や利益も見る。さらに、お金がいつ入るかは別に考えるんだね。

この記事のポイント

  • 売上高は売った金額の合計。利益を考えるには、同じ期間に対応する費用も確かめます。
  • 今回の例では、売上が20万円増えた一方、費用が30万円増えたため、利益が10万円減りました。
  • 材料費だけを引いた差額は、ほかの必要な費用まで引いた利益とは違います。
  • 会社の利益は、店主個人の給料や、今ある現金・預金とは別の数字です。

おうちの人と話してみよう

もし、近所に長く続いてほしいパン屋があったら、どんなところを大切にしてほしいですか。味や安全、買いやすい値段、働く人のことなどを思い浮かべて、そのために必要そうな費用や工夫を話してみましょう。

出典・参考資料

情報確認日:2026年11月4日

金額とパン屋は理解のための架空の例です。表は税抜で、各月に対応する費用をそろえ、利益にかかる税金を引く前の金額を比べています。翌月に使う材料を買っただけで、すべて今月の費用にするわけではありません。売上以外の収入や借入金の利息などはない設定です。実際の会社では、利益には計算する段階によって種類があります。

以下の外部リンクは、新しいタブで開きます。

日本政策金融公庫「勘定科目の説明」:売上高、人件費、販売費・一般管理費の範囲を確認しました。

日本政策金融公庫「主な財務指標項目の説明」:粗利益の計算方法と、粗利益・経常利益を区別することを確認しました。

日本政策金融公庫「『黒字なのにお金がない』のはなぜ?決算書の利益と通帳の預金残高がズレる4つの理由」:専門家の解説で、同じ期間の売上と費用の対応、利益と現金・預金の違いを確認しました。

門井孝史

1977年、埼玉県生まれ。ファイナンシャルプランナーとして企業経営者や不動産オーナーをサポートし、MDRT最上級資格「TOT」を持つお金の専門家。「子どもにもお金の大切さを知ってほしい」という想いから、『マネテラス』でお金の仕組みや使い方を楽しく教える。趣味は野球で、休日はキャッチボールを楽しむことも。


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