

リク
先生!ふと思ったんだけど、なんで日本のお金は「円」って言うんだろ?

ユイ
そうだね...アメリカはドル、イギリスはポンドだよね。どうして日本は「円」なんだろう?

モモカ
丸いから「円」なのかな?でも硬貨だけじゃなくてお札も円だよね?

門井先生
とても面白い質問だね!日本のお金がなぜ「円」と呼ばれているのか、その歴史を話してあげよう。

リク
歴史があるの?すごく気になる!

門井先生
実は「円」という単位が使われるようになったのは、明治時代からなんだ。それまでの日本では「両」や「分」、「朱」といった単位が使われていたんだよ。

ユイ
「両」!歴史の授業で聞いたことがある!江戸時代のお金だよね?

門井先生
そうだね。明治時代になって、日本は近代的な国になるため、お金の制度も新しくしたんだ。明治4年(1871年)に「新貨条例」という法律ができて、「円」が正式な単位になったんだよ。

モモカ
でも、どうして「円」という名前にしたの?

門井先生
それがポイントなんだ。実は当時の一円銀貨は完全な円形をしていたんだよ。その形から「円」と名付けられたんだ。

リク
やっぱり形が関係あったんだ!モモカの予想が当たってる!

モモカ
えへへ、やっぱりね!

ユイ
でも、他の国のお金も丸いのに、どうして円って呼ばないんだろう?

門井先生
いい質問だね。実は当時の日本のまわりでは丸い銀貨がよく使われていて、中国では「円形の銀貨」という意味で「銀圓(ぎんえん)」と呼んでいたんだ。日本もそれを参考にしたと言われているよ。

リク
へえ~!中国の影響もあったんだ!

門井先生
そして「円」には、もうひとつ大切な意味があるんだ。それは「丸い」だけじゃなくて、「完全」や「調和」という意味も持っているんだよ。

ユイ
なるほど!だから円満とか円熟とか、「円」がつく言葉はいい意味を持つことが多いんだね!

門井先生
よく気づいたね、ユイ!「円」という字には「丸く滑らか」「完全」という意味があって、お金の単位としても「価値が安定している」という願いが込められていたんだよ。

モモカ
お金の名前にも願いが込められているなんて、知らなかった!

リク
ところで先生、一円玉はどうして穴がないの?さっき「丸い形から円になった」って言ってたけど。

門井先生
鋭い質問だね!一円玉が今の形になったのは、実は戦後の昭和30年(1955年)からなんだよ。それまでは素材も形も違っていて、変遷があったんだ。でも、「円」という単位自体は明治時代から変わっていないんだよ。

ユイ
そういえば、英語では「yen」って書くよね。これも「円」から来てるの?

門井先生
そうだよ!「円」の発音を英語で表すと「yen」になるんだ。明治時代、外国人が日本の「円」という発音を聞いて「yen」と表記したんだよ。

モモカ
世界中で日本のお金は「yen」って呼ばれてるんだね!なんだかうれしい!

リク
日本のお金の単位「円」には、こんなにたくさんの歴史や意味があったなんて、すごいなぁ!

門井先生
そうだね。お金の単位一つをとっても、その国の歴史や文化が反映されているんだよ。これからもお金について色々と学んでいこうね。
この記事のポイント
- 日本のお金の単位「円」は明治4年(1871年)に正式に定められた
- 当時の一円銀貨が完全な円形だったことから「円」と名付けられた
- 「円」には「丸い」だけでなく「完全」「調和」という意味があり、安定した価値という願いも込められている
- 英語の「yen」は日本語の「円」の発音から来ている

門井孝史
1977年、埼玉県生まれ。ファイナンシャルプランナーとして企業経営者や不動産オーナーをサポートし、MDRT最上級資格「TOT」を持つお金の専門家。「子どもにもお金の大切さを知ってほしい」という想いから、『マネテラス』でお金の仕組みや使い方を楽しく教える。趣味は野球で、休日はキャッチボールを楽しむことも。
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